誰でも知っている諺でありながら、
 長い歳月を歩んだ後、
 その深い意味を知る言葉があります。


 実るほど、頭を垂れる稲穂かな。


 若き日に、この言葉の意味は、
 素朴な人生訓であると思っていました。

 人間は、学問と教養を身につけ、
 社会での地位が高くなるほど、
 謙虚さを身につけなければならない。

 そのことを意味した人生訓であると
 思っていました。

 しかし、歳月を重ね、
 人の心の世界の機微を学ぶにつれ、
 一つの真実に気がつきます。


 人間は、
 謙虚になろうと思って、
 謙虚になることはできない。


 その真実に、気がつくのです。

 そして、そのとき、
 人間学の世界で語られる一つの言葉が、
 重い響きを持って、聞こえてきます。


 自分に自信の無い人間は、
 他者に謙虚になることはできない。


 「謙虚さ」とは、
 自分の中に静かな自信が実ったとき、
 自然に現れてくる資質なのでしょう。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 我が人生の師と仰ぐ田坂広志氏の深い言葉を紹介しました。
 
 人は「謙虚さ」を自然体で体得できたときにこそ、真の達観を得られるのかもしれません。

 そして、その時、人は真に「優しさ」を身につけることができるのかもしれない。

 慈愛に満ちた、いかなる圧迫にも屈しない強き優しさを。
 

 僕にとってはまだまだ遠い茨の道ですが・・・