夜更けの思索者

土地家屋調査士・行政書士・CALS/EC RCI 橋本伸治のブログです。仕事に関する記事や日頃感じているエッセイなど熟々と書き綴っています。

2012年03月

巷ではマナー講座なるものが結構流行っているようです。
裏を返せば、如何にマナーが世間一般に浸透していないかという事なのでしょう。我が身も然り、日々反省する毎日です。

マナーというと何か新しい事のように感じますが、日本には「思い遣り」「気遣い」という素敵な言葉があります。

最近よく耳にするようになった言葉に「江戸しぐさ」があります。仕草ではなく「思草」と書くようです。
元々は江戸時代の商人哲学だったらしく、商家の門外不出の不文律処世術だったものを、芝三光氏を中心に後世へ伝えて来たものらしいです。それが最近の教育界で再評価され始め、道徳教育にも採用されつつあると聞きます。
例えば、
【傘かしげ】雨の日に互いの傘を外に向けお互いに傘がぶつからず濡れないように配慮してすれ違う事。
【七三の道】歩くときは道のど真ん中を歩くのではなく、自分が歩くのは道の三割にして残りの七割は緊急のために残して開けておくこと。
【時泥棒】約束なしに相手を訪問したり、約束の待ち時間を守らずに遅れたりして、相手の時間を奪うことは重い罪になるよと自重させる。
【肩引き】道を歩いて、人とすれ違うとき左肩を路肩に寄せて歩くこと。
【うかつあやまり】たとえば相手に自分の足が踏まれたときに「すみません、こちらがうかつでした」と自分が謝ることでその場の雰囲気をよく保つこと。

考えれば人として当たり前の配慮ですよね。それが現代人には通用しなくなっている悲劇。

ここ数十年の日本人の倫理観は悲惨です。己だけがよければ良いとの風潮が蔓延り、受験競争に明け暮れ、まともな道徳観を持たない者が高学歴者となって社会人となると、社長以下重役が一斉に頭を下げるような不始末を仕出かす。
昔の日本人なら到底あり得ない、食品偽装事件の多発。
コンプライアンスやCSR なんて外国語が入る以前から日本には美しくも気高い商哲学、商道徳があったはずです。その先達の智恵や倫理観を現代日本人は文明社会の発展と引き換えに失ってしまった。

我が家にも今年受験生となる娘がいますが、頭でっかちになるより、人としての倫を外さない思い遣りのある人間に成長して欲しいと願っています。約束は必ず守ること、最低の倫ですよね。

思い切って受験で道徳科目を導入してでも徹底させるべきのような気がするこの頃です。哀しいですけどね。

本日は連合会の土地家屋調査士法改正PT会議でありました。中間報告書取りまとめの大詰めに入り、議論も大分落ち着いてきましたが、当初から話題に上ったのが、現在の土地家屋調査士法は、調査士を律する規制法であろうということです。
端的に象徴的なのは弁護士法第一条は、弁護士の使命から始まるのに対して、調査士法は目的から始まる、という法の立ち位置が全く異なると言うことです。

我が業界を、20年、50年というスパンでビジョンを語るならば、やはり規制からの脱却は必要でしょう。
PTでは大胆な提言を試みようとしていますが、これが軽々に実現できるわけではありません。しかし、業界が自律的に発展するには、既成の観念に捕らわれず、大いなる野望を秘めて打って出ることが今の閉塞した時代に必要であろうと思います。

先日、遅まきながら、センター主催によるADR代理業務活用支援研修会を開催して来ました。
前段の入門編を拙著論文を少し発展させながら90分の駆け足で説明してきました。
思うことを説明する方も未消化状態で説明したものですから、当然聞いてくださった方も未消化状態でしょうから、少しとっ散らかった研修会となりましたが、まぁ、そこはご愛嬌と言うことで、取り敢えず、初っぱなの口火が切れたということで、次年度以降も継続してステップアップしていければと思います。

後段は、センターで常日頃お世話になっております弁護士運営委員の先生に、弁護士から見た認定調査士との代理業務連携について講義していただきました。
幾分思い付きでのお話ではあったようなのですが、従来調査士が信条としている公平中立な立場での境界の鑑定というスタンスが崩せないのなら、所有権の範囲の争いに関わる主張は共同受任する弁護士に一切任せて分業化することも連携の一態様ではないか、との意見は、調査士にとって一種救いの手なのかもしれません。
連携のパターンは幾つか想定できるかもしれませんが、調査士ー弁護士それぞれの得意分野を如何なく発揮してこそが重要であろうと思います。それができて初めて、その先の連携方法論を模索することができるのでしょう。

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