夜更けの思索者

土地家屋調査士・行政書士・CALS/EC RCI 橋本伸治のブログです。仕事に関する記事や日頃感じているエッセイなど熟々と書き綴っています。

2005年03月

法務局登記官による改正法研修会があった。
正直期待はずれ・・・
今まで研究会を通して勉強してきたことばかりで
突っ込んだ説明が何もない・・・
いや説明できないのかも・・・
それだけ法務局側も混乱している証拠か・・・

今日から、改正不動産登記法が施行される。
いや改正法ではない、あれは立派な新法ですな。
我々調査士業界も、法務局サイドでも
まだしっかり対応できる態勢にない。
果たしてこれでまともな登記行政ができるのだろうか、
甚だ疑問ではある。

ただ、今回の法務省民事局の対応があまりにもドタバタしすぎ・・・
裏で何か異種の大きな力を感じる。
それがなんであるのか?
小泉さんがこれほど急がせる訳は何か?

例の六本木ヒルズ事件を端に発した都市再生事業・・
そこに暗躍する外資の動き
どうもその辺で日本が手玉に取られている気がするのだが・・・

巷では、施行が多少猶予されるのでは?とか
従来の申請でも当分大丈夫などと、悠長なことを言ってる場面を耳にします。
民事局や日調連、はたまた本会の対応のまずさを不満に思う方もいるかもしれません。
しかし、法務行政に携わる専門家たる者にとって、その原点に立ち返るならば、次の言葉に尽きるのだと思います。
「法治国家であるこの日本国において、特別な事情等がない限り、法律は守られるべきであり、守らなければ、何らかの制裁があるのは、法律隣接職種に位置している調査士であれば、当然のこと」
この言葉こそ、我々専門家がどうあるべきか、指し示しているものだと思います。

もう我々は「ぬるま湯の中の茹で蛙」状態を今こそ脱却しなければなりません。
調査士は常に法令に精通していなくてはなりません。
情報はトップダウン方式で流れるものばかりではありません。
今やその情報収集・分析・解釈・運用、すべて個々の責任であろうと思います。
それを本会や日調連へ責任転嫁してはいけないと思うのです。

本法・登記令は既に公布済みでした。規則案も出てました。
ここまでは事前に十分な情報開示がなされていたのです。
私達に勉強する猶予が与えられました。
この段階でもそれなりの心構えはできていて当然だったのです。
それを民事局は求めていたでしょうし、
それに応える責務が我々専門家に課されていたと言えます。
それを怠った専門家が今頃不満を言うとはなんだ?と言うことになります。
が、しかし、唯一、準則だけが内部情報で抑えられ、末端会員に知らしめられていなかった。
調査士業務は準則にかなり影響されます。
少なくとも、この情報不開示という不作為については民事局の対応に不満が残りますが・・・
しかし、周知された今、例え周知期間が短かろうが、本来は7日に向かって徹夜してでも頭にたたき込まなくてはなりません。
延期になるだろうと、のんびり構えてる場合ではないはずです。
現に司法書士業界では着々と7日施行に向け、万全な態勢で来てるのです。私達調査士にできないわけがありません。

常日頃、境界立会にあっては本人確認(管理者の代理権限確認を含めて)をしっかりやっていたのか?
基準点測量を習得し実践していたか?
安易な残地分筆に走っていなかったか?
地積更正の可能性を事前に依頼主に伝え測量に着手していたか?
常日頃の執務態度が今になって我が身に跳ね返ってきたと言えるでしょう。

先ほどある司法書士と話をしてたのですが、
「調査士さんは、将来電子申請になった場合、
お客様にどうやって成果をお渡しするのですか?」と。
司法書士でも悩みの種だそうです。
登記識別情報では権利証ほどのありがたみがない、番号だけで報酬請求をしづらい、というのです。
それとは別個にアフターサービスで、
「こういった情報を法務局へ提供して登記が完了しました」という司法書士なりの完了報告書を登記識別情報に添えてお渡ししたいと・・・

翻って調査士はどうか?
登記済が無くなるのは調査士とて同じ。
電子申請・電子納品になっても図面はプリントアウトすればお渡しできます。
しかしそれだけでは不十分ではないのか?
できれば付加価値を付けてお渡ししたい。
これからは世界測地系座標法での求積に統一されるでしょう。これは時間の問題と言えます。
成果としてお渡しする座標値もその管理は一般国民にはなかなかできません。
そのフォローを調査士がしなくてはなりません。
座標値の維持管理方策のプレゼン、境界安定に向けた方策のプレゼン
少なくともこれくらいはルーティンワークとしたいものです。
更には「調査報告書」の充実。
いずれ調査書も改訂されるはずです。
それはある意味鑑定書レベルのものを要求されるものと覚悟しておかねばなりません。
むしろ、そのレベルは今から率先して身につけておき、お客様への「調査完了報告書」として提出する。
当然精度管理表あたりも網羅してなければなりませんね。本人確認情報提供しかり・・・境界確認に至った理論構成の提示しかり・・・
その辺は、栃木会の先生方で既にやってらっしゃる方も多いと思いますが・・・
お客様へのフォローアップをどうすべきなのか
オンライン申請を見据えた戦略作りを今から考えなくてはなりません。

改正不動産登記法施行となった場合のポイント(オンライン未指定庁での書面申請の場合)を簡単に纏めてみました。

1.登記の目的欄~土地or建物表示登記→土地or建物表題登記に表記変わる 
2.添付書類欄~申請書副本→申請書の写し とする、但し提出は任意。提出されなければ登記済証は交付されない、その場合「申請書の写し」の記載も不要
  また事前に不発行の申し出ができる(チェック欄設けチェック入れる)
3.申請人が法人のときは代表者名も申請書に記載する
4.申請書の代理人欄には連絡先を記載(補正通知は電話連絡になる)
5.地積測量図には筆界点間距離記載、世界測地系国家座標値原則記載(例外的に任意座標値記載)、墨でのインキング不要
6.分筆では原則残地も求積(全地求積)、許容誤差超える場合は地積更正登記が必要的前提~事前に依頼者へのコンセンサス必要
  また境界確認時には、管理人などの代理人立会には代理権限確認・場合により本人確認情報要す
7.分筆時での共同担保目録添付不要(ブック庁除く)~登記官職権作成
8.合筆・建物合体・建物合併登記申請で権利証提出できないときは、その理由明記の上、資格者代理人より本人確認情報提供+職印証明書添付
  提供しない場合は事前通知適用(直前3ヶ月以内に住所変更登記あれば前住所地へも通知する)
9.地図訂正では地積更正登記と抱き合わせ(必要的前提)
10.調査書の充実化・厳格化~見返り:実地調査省略
11.原本還付請求に制限あり~当該申請だけの委任状・本人確認情報・調査報告書(現調査書)・法務局御中の工事完了引渡証明書・滅失証明書は還付請求不可
   相続が関係する場合、相続関係説明図に加え遺産分割協議書・特別受益者証明書・遺言書も謄本添付しないと還付請求不可
12.受領証は返納不要
13.不動産番号は、オンライン指定庁になるまで関係なし(記載がそもそも不可)

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